当院では、新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴い、発熱に対する患者さんに対して唾液によるPCR検査と鼻咽頭ぬぐい液による2つの検査をご用意しております。それぞれ異なる検査なのでそれぞれにメリットデメリットがございます。
今回は、この2つの検査の違いについて簡単にブログでご説明させていただきます。
もくじ
- それぞれの検査は新型コロナウイルスの何を検出しているのか?
- 精度はどっちが高いの?検査はどっちが早いの?
- 検体の違いは?
- どういう風に使い分けるの?
1. それぞれの検査は新型コロナウイルスの何を検出しているのか?
PCR検査は、ウイルスの遺伝子(厳密にはその一部)そのものを増幅させ検出させる検査方法です。
抗原検査は、ウイルスが持つ抗原というタンパク質を検出する検査方法です。
2. 精度はどっちが高いの?検査はどっちが早いの?
PCR検査は、少量のウイルスでも混入していれば増幅させて検出するため感度(わかりやすく言うと検出の精度)は高いです。一方で抗原検査は、採取した検体(鼻咽頭ぬぐい液)などの量や質にもよるためPCR検査に比べると感度は下がります。また、PCR検査は増幅させるという工程が必要なので数時間―数日要しますが、抗原検査は試薬を垂らすだけなので15分程度でわかります。
3. 検体の違いは?
PCR検査の場合は、唾液や鼻咽頭ぬぐい液などを用いて検査を行います。唾液でも鼻咽頭ぬぐい液と同等の検査結果を得られること現在は唾液で多くやられる所も多いと思います。当院も唾液による検査にて患者さんの不快感をできるだけ少なくするよう配慮しております。一方抗原検査では、鼻咽頭ぬぐい液が主流となっており(綿棒を鼻の奥に入れて採取する)、唾液の採取に比べると患者さんにとっての不快感は増します。
4. どういう風に使い分けるの?
まずは、患者さんが唾液を出せるか出せないかで選択肢が限られます。もし唾液が出ない場合は、抗原検査を実施します。また施設などで高リスクの方々が密集されており、「精度は対象低くてもいいので早く知りたい」という方なども抗原検査を実施しております。一方で、自宅安静ができる方に関しては非侵襲的で精度の高いPCR検査を行います。また両方を併用することもあり検査を受けられる方々の状況に合わせて使い分けております。
1日でも早い元気な生活が取り戻せるように皆さんで頑張っていきましょう。それに際し、何かお困りのことがございましたらご相談でも結構ですので遠慮なくお申し付けください。
コメント